社会福祉HERO’Sと双方向授業(LiveQを使って)

7月26日(火)の「ソーシャルワークの基盤と専門職」の授業(オンライン授業)に社会福祉HERO’Sの2名を外部講師としてお招きしました。社会福祉HERO’Sの方を授業にお招きするのは、3回目です。

社会福祉HERO’Sとは、全国の福祉現場ですぐれた実践(挑戦)をしている若手職員のプレゼンコンテスト(全国社会福祉法人経営者協議会主催)で、今回の外部講師の方は2021年度の全国代表に選ばれた6名のうちの2名です。(詳細は、http://www.shafuku-heros.com/movie/ からどうぞ。)

今回の授業では、社会福祉HERO’Sでの6名のプレゼンテーションの内容を学生が事前学習として視聴した上で、その6名のうち外部講師としてお招きをしたい2名を学生がアンケートで選出し、上位の2名となった社会福祉法人宣長康久会(富山県)の村井博昭さんと社会福祉法人和告福祉会(山梨県)の樋川真由佳さんをお招きしました。なお、そのアンケートには、お招きしたいと思った理由と外部講師としていらした際に伺いたいことも質問項目として設定し、その内容を事前にお二人にはお伝えしました。

 

村井さんは、特別養護老人ホームにお勤めで、利用者の高齢者の方が「〇〇したかった」「〇〇へ行きたかった」と過去形で話すことに疑問を持ち、自分たちの仕事(福祉の仕事)は一人ひとりの夢をかなえることではないかという思いから、「夢プロジェクト」をはじめ、利用者の方の日常のちょっとした願いなども含む夢の実現の支援をされてきています。その一つに、プロサッカーチームの「カターレ富山」の選手に会うという利用者の方の夢を実現し、その後も多様な交流を実現されています。そのほかにも、色々な夢・願いの実現をされています。(写真左は利用者の方の願いを書いた木と村井さん、写真右は利用者の方とカターレ富山の選手の皆さん ※ご本人の許可を得て写真を掲載しています。)

 

樋川さんは、もともとは音楽にかかわるお仕事につくことを希望されていたのですが、その夢をあきらめ、ご結婚、ご出産、離婚を経て、障害をもつお子さんのシングルマザーとして、福祉の仕事にかかわられるようになったということです。コロナ禍以前は、法人が経営するカフェレストランで障がいをもつ利用者の方の就労支援をしていましたが、コロナ禍でレストランの経営が難しくなってしまったことから、コロナ禍でも、利用者の方がこれまでの経験を活かして働けるようにクラウドファンディングを活用し、寄附を集め「キッチンカーによる移動販売」を導入されたことや日々の様々な利用者の方への支援の様子やご自身のことを詳しくお話頂きました。

(写真左は、樋川さん、写真右は利用者の方とキッチンカー ※ご本人の許可を得て写真を掲載しています。)

 

 

そして、いよいよ質疑応答の時間です。学生は、Zoomのチャットからは外部講師の方に多くの質問をするのですが、教室では限られた学生からの質問になりがちです。そこで、今回は学科の助手さんのご助言もあり、LiveQというツールを使って、学生は教室からオンライン(Zoom)でお話をされているお二人にスマ-トホンから質問を入力・送信するという形をとりました。その結果、様々な質問が出され、双方向の授業が実現しました。

 

学生の授業後の感想からは、村井さんの「夢」をもつことの大切さや、「夢」の実現をあきらめない姿、また日々楽しく仕事をされている様子への感銘の言葉が多くみられました。また、樋川さんに対しては、福祉にかかわる前は福祉や障害者に対して決してよいイメージをもっていたわけではなかった樋川さんがご活躍する様子に自分の気持ちを重ねたり、樋川さんが色々なことに積極的に挑戦する姿勢から、自分ももっと積極的に福祉にかかわりをもちたいと感じた学生が多くいたようです。

 

福祉を学ぶ中で、進路を悩むこともあると思います。そうした時に、こうした社会福祉ヒーローズの方々のご活躍は、学生たちのロールモデルになると思います。今回の外部講師の方とのやりとりを忘れずに、それを今後の実習や進路選択に活かしてくれればと思います。 (北本佳子)