卒業生が絵本『トイレのおかあさん』を出版!~自身の体験から「目に見えない多様性」を感じてほしいとの願いをこめて~

みなさん、こんにちは。

先日、本学人間社会学部福祉環境学科(現 福祉社会学科)および本学大学院生活機構研究科福祉社会研究専攻修士課程の卒業生である狩野聖子さんが、絵本『トイレのおかあさん』(かのうせいこ/作・田中伸介/絵)を株式会社文芸社より出版されたとのことで報告に来てくれました。

狩野さんは腸の難病の一種であるクローン病を患いながら、本学科の前身にあたる福祉環境学科にて熱心に勉学に励み、ソーシャルワーカーの国家資格である社会福祉士と精神保健福祉士を取得しました。

また、大学院在学中にはクローン病・潰瘍性大腸炎の患者さんが集い、語らう場所づくり(チャルラの会)を創設するなど、当事者と支援者両方の視点をもった社会活動を展開してこられました。

ご本人曰く「この絵本をつうじて『見えない多様性』に気づいてもらえたら嬉しい」とのこと。イラストレーターの田中伸介様による絵も、表情ゆたかでとても素敵な色使いです。ぜひ多くの方に読んで感じてほしい作品です。

かのうせいこさんより

『トイレのおかあさん』は、私と当時6歳の息子との日常生活の一場面です。
私がいつもトイレにいる、外ではいつもトイレを探している、クローン病という腸の難病である私と、息子にとってはごくごくあたりまえの日常。しかし、それは他者からは見えない私たち親子だけの生活世界なのです。

『トイレのおかあさん』を通じて、このような病気やさまざまな生活世界があるということを知ってもらい、この絵本をきっかけに、目には見えない多様性を感じてもらう一助となれれば幸いです。

修士論文の指導教員であった髙橋教授と。

在学当時のクラスアドバイザーであった伊藤福祉社会学科長と。