「2024年度特殊研究講座が開催されました」

2024年度福祉社会学科の特殊研究講座は、4月10日(水)に人見記念講堂にて開催されました。

一般社団法人 千葉義塾インテグレーテッドアカデミー代表 千葉祇暉先生をお招きし、「共生をキーワードとした福祉社会づくり」というテーマでご講演いただきました。

千葉先生は不慮の事故により車いす生活を余儀なくされますが、その後に車いす陸上競技(短距離)で国際大会の日本代表として活動され、パラリンピックに出場されています。「2020東京パラリンピック後の現状と課題、バリアフリー環境はどのように変わったのか」について、千葉先生の様々なご経験を通して、お話しいただきました。

本講座を受講した福祉社会学科2年生より、千葉先生のお話を受けて以下の感想が寄せられました。


千葉さんがお話されていたエピソードの中には身体に障害を持つ方に対し、親切心で手助けをした結果、逆に相手に怪我を負わせてしまったというものがありました。私自身も勇気をだして声をかけようにも、何をすべきなのか分からないと戸惑ってしまった経験があります。したがって手助けをしたいという優しい心や勇気が失われないために、どのようにして手伝ったら良いのかという行動としての知識を誰もが身につけられる機会が必要であると実感しました。(2年Aさん)


パラリンピックの考え方が日本と海外で大きく違うことに驚きました。海外ではパラリンピックの選手のことを「障がい者」としてではなく、1人の選手(競技者)として見ているのに対し、日本は「障がい者」がやるスポーツだという意識が抜けていないということから、日本は障がい者に対して偏見を持っている人が多いのかなと思いました。(2年Bさん)


今回の特殊研究講座では千葉さんの話を聞き、日本の障がい者に対する現状、そしてこれから生きていくうえで大切なことを学びました。特に日本と海外では大きな意識の差があるということが印象的で、海外の福祉にも関心があるため、これから海外の福祉についても学び、どうしたら日本も海外のように福祉についての理解が深まるか考えていきたいと思った。(2年Cさん)


私は社会福祉と保育について学んでいるので、千葉さんと幼稚園生の関わりについてのお話も印象に残りました。こちら側から「こうしてほしい」という願望を伝え手伝ってもらうよりも、子どもたち自身に考え行動してもらうことが大切であることが分かりました。私は子どもは大人たちよりも考え方が柔軟で色々な視点を持っていると感じているので、私たちでは気がつかなかった視点からの意見や援助をしてくれるのではないかと考えました。(2年Dさん)


お話の全体を通して、日頃から全力を出していれば本番もちゃんとできるということが印象に残りました。とても大切なことだと思います。私は今まで「どうせできっこない」「練習ならそこそこ頑張ればいいや」というように本番以外で全力を出したことがなかったけれど、この言葉を聞いて、全力で練習することで、本番も練習通りにできるということを実践していきたいと思いました。(2年Eさん)


今回千葉さんの講義を聞いて学んだ事は、まだ日本には社会的弱者が生きていく上での課題があると同時に、社会的弱者に関する知識がまだ根付いていないということです。ユニバーサルデザインも今は多様な生き方が尊重されているので、以前よりは増加傾向にあるものの、まだまだ不便な箇所がある印象です。千葉先生は、社会的弱者を手助けするのではなく、社会的弱者を減らしていくべきであるとおっしゃっていました。共生についてもお話されていましたが、手伝う手伝ってもらうという関係性を越えて、当たり前に助け合い、譲り合って対等に関わりあえる社会づくりが重要であると分かりました。(2年Fさん)