現代教養学科ブログリレー -志摩先生-

オンラインでの国際関係論ゼミの活動に挑戦始める

 

今日は、国際関係論ゼミを担当している志摩です。

最近の新聞等でも次々と紹介されているが、世界的なコロナ新型肺炎の感染の拡大は、第一次世界大戦末の1919~1922年に世界を震撼させた通称「スペイン風邪」の流行を思い起こさせるものです。この中で、1922年12月(大正10年)に当時の内務省衛生局から刊行された『流行性感冒』の翻刻 」『流行性感冒 「スペイン風邪」大流行の記録』(内務省衛生局編、東洋文庫778:平凡社、2008年。)は、医学的なことはわからない私にも、貴重な記録に思えました。

4月30日まで、PDFで無料公開されているとのことですが、なかなか手にすることのない記録をちょっと手に取ってみました。

▶ <https://www.heibonsha.co.jp/book/b161831.html

 

第1章「海外諸国に於ける既往の流行概況」では、流行性感冒がすでに古代ギリシャの医師ヒポクラテスの記録にもあることから始まり、14世紀以降の流行が古くはヨーロッパでの大流行が記載され、17~18世紀以降には、他の大陸にも大流行が起きていることが、丹念に記載されています。1889年の世界各地での流行についで起きたのが、先に述べたスペイン風邪です。紹介した報告書によると、1919年から1922年までの3回の流行で、日本では総計2,380万余人が感染し、約388,000余人の死者を出したとあります。ナショナルジオグラフィック日本版(2020年3月15日)によると、世界中で約5000万人の死者となっています。

▶ <https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/031300172/>

 

第一次世界大戦の戦死者が約1600万人といわれていることからも、この流行性感冒の凄まじさが伝わってきます。およそ100年前の危機と今我々が抱えている危機は、グローバル化によって一層高まっているにもかかわらず、できることは、「三密」と移動の遮断と何の進展もなく、むしろ、危機は高まっているのではないでしょうか。以前に国際関係論ゼミでも、スペイン風邪と第一次世界大戦について、みんなでディスカッションしたことを思い出しました。

こんな状況下で新年度を迎え、国際関係論ゼミでもオンラインのゼミの展開を少しずつ試行しています。今年度は、3年、4年ゼミ共に7名のメンバーです。4年生は、すでに密な関係を構築している仲間たちです。オンラインでのゼミでみんなが久しぶりに会えて、元気を確認できました。2回目からは卒業論文のテーマやその動機などについてディスカッション、少し、使えるようになりました。私は、担当している授業で、グーグルクラスルームのページを指導で活用していますが、併せて活用し、それぞれが、パワポで発表できることも確認しました。3年生は、まだ、名簿だけで一度も顔合わせができていませんでしたが、オンラインのゼミで、仲間の確認と自己紹介をしてみました。例年のこの時期には、4年生が3年生を歓迎する懇親会を開催していますが、今年は、無理?そこで、オンラインでの懇親会を近いうちに実施しましょうと、話は進んでいます。自己紹介や4年からのメッセージだけでなく、なにかゲームのようなことを実施してみようと。私が提案しているのは、この際なので、地図を頭に入れて、共時的な意識が高められるようにゲームをしようと。実際にどんなことができるか楽しみです!ゼミ生と試してみたら、また、紹介したいと思います。

オンライン上で、ゼミの仲間の写真を紹介しておきます。

志摩 園子