特殊研究講座「恋愛結婚の衰退 バーチャル恋愛の出現」を受講して

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皆さんこんにちは!CLA Reporters & Magazineメンバー、1年の渡邉と山田です!

12月2日に現代教養学科では、ZOOMウェビナーにて、今年度2回目の「特殊研究講座」が開かれました。今回は中央大学文学部教授の山田昌弘先生をお招きし、「恋愛結婚の衰退 バーチャル恋愛の出現」と題して、衰退しつつある恋愛結婚と新たな恋愛や結婚のかたちについてご講演いただきました。

 

山田先生は家族社会学を専門としており、親子・夫婦・恋人における人間関係を社会学的にご研究なさっています。

講演は第1章から第3章の3部構成で、様々なデータやグラフ、動画とともにお話しくださいました。

第1章「恋愛・結婚の現在」では、日本人の恋愛や結婚に関する現状をデータやグラフと共に説明してくださり、日本人の未婚化の実態を実感しました。そのデータの中で、特に驚いたのが、日本と欧米の結婚減少の違いです。ヨーロッパ・アメリカでも結婚の減少がみられますが、日本のような少子化問題には発展していません。つまり結婚というかたちに捕らわれず、婚外子や同棲など、結婚をしないかたちで子供をつくり育てているのです。日本とは違う、多様なかたちが存在していることを知りました!

第2章「日本の恋愛結婚衰退の理由」では日本の未婚化の背景についてお話いただきました。結婚する理由は主に2つあります。1つ目は恋愛感情の結果、好きな人と一緒になれる。2つ目は経済生活を一緒に営むことができる、です。しかし、現代は男性の収入の不安定化により、この2つが矛盾しつつあります。以前は結婚は生活環境を変えるイベントとして捉えられていました。実際、結婚により今以上に高水準な生活ができ、子供も自分以上の環境で育てることが可能でした。しかし、今は結婚しても今以上の生活ができないのではという考えが強まってきています。これが、結婚願望がある人の減少に繋がっていると考えられています。

第3章「バーチャル恋愛の発達」では日本でなぜバーチャル文化が発達したのか知ることができました。このバーチャル文化、実は江戸時代から始まっていたのです!江戸時代の人々は戦争もなく平凡な日常を送っていました。そこで発達したのが浮世絵や歌舞伎、黄表紙(滑稽文学)などです。この時代から平凡な日常を離れ、夢の世界に浸るという文化が始まっていたことには驚きました。これは現代の日本でも同じことが言えます。人々は自分が大切な存在であると実感したいと思いながらも、現実の家族関係、恋人関係ではうまくいかないという状況になっています。

 

 

今回の講義を受けて、少子化や晩婚化などの社会問題は存在しますが、一人ひとり望むあり方は多様に変化しており、様々な選択やあり方が可能であると実感しました。講演の最後に「バーチャル文化は、救いか?」というような話しがありましたが、その問いに簡単に答えを出すことはとても難しいと思います。一人ひとりが望むあり方の選択肢を増やすことが、重要なことであると思いました。

ご多忙の中、貴重なご講演をいただきました山田昌弘先生に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。今回、山田昌弘先生に教えていただいた大変貴重なお話を胸に、学びを深め、精進していきます!

(CLA Reporters & Magazineメンバー 1年 渡邉・山田)