会話データ分析を学ぶと?

〈受験生の方へ〉

昨年10月は、第7回昭和女子大学日文公開講座において、「会話を科学する。-ストーリーテリングの世界」というタイトルで、東京外国語大学の中井陽子先生と共同講演を行いました。

https://swuhp.swu.ac.jp/university/nichibun/openlecture.html

ここでは、ストーリーテリングという体験談の語りにも実は構造があり、その構造を意識することで、ある程度の長さを持った内容を相手にわかりやすく、そしておもしろく話せるようになることをお伝えしました。
そして、それが、実は、大学の授業で求められるレポートや論文などのある程度長い文章を書くことにもつながると発展的にお話ししました。
日常会話でありふれたやりとりにも実は構造があること、それが、大学で求められる能力にも実はつながっているという内容でした。

今年は、残念ながら新型コロナウイルスの影響で開催できなくなってしまったのですが、学外の理系の研究会から、会話に関するセミナーのお話がありました。これまでも会話データ分析の研究成果をふまえて教育活動を行ってきましたが、全く異なる分野からセミナーの依頼を受けたのははじめてでした。
そこで、どのような場面のどのような会話に困っているのか、担当の方と何度もメールでやりとりをしました。
その中の一つに、自分の専門を知らない人にうまく説明できないというものがあり、まさに、昨年の体験談の語りにつながるものだと思いました。異分野の人達の悩みも、実は、私が普段の日文の授業で学生から聞く悩みとほぼ同じであるように思います。

日常会話は、話している話題などから表面上は異なるかに見えるものでも、その根底にあるやりとりの無意識のルールのようなものには、実は、変わらないものもあります。
その無意識のルールのようなものを、「会話データ分析」では、録音・録画・文字化したデータをもとに客観的に分析していきます。
この手法を学ぶことで、自分の会話も冷静に見直すことにつながると思います。

これから受験するみなさんも、受験という緊張する会話、そして大学入学後も多様な場面の会話を経験することと思います。
その会話を冷静に見直す方法の1つとして、みなさんと一緒に、会話データ分析について学んでいきたいと思っています。

<OB>