📚児童文学講演会を行いました📚

8月20日(土)に「児童文学講演会」を行いました。
この講演会は昭和女子大学日本語日本文学科と世田谷区立下馬図書館との協働イベントとして開催しました。
こちらの講演会では、児童文学作家の新藤悦子氏にお越しいただき、作家になるまでの経緯や物語ができるまでについてをお話しいただきました😊

新藤氏は大学時代から中東に興味を持っていたということで、実際に行った3度のトルコでの経験をお話しくださいました。
元々は現地での取材をもとにルポルタージュを書いていたそうですが、3度目に行ったトルコで現地の方に教えてもらいながら絨毯を織り上げる傍ら、村人の暮らしを記録し、その時の体験をまとめた『エツコとハリメ:二人で織ったトルコ絨毯の物語』で作家デビューをされました。
その後、子ども向けに書いてみないかというお話があり、子ども向けの本であれば写真も使えるし、絵も描いてもらえると思い引き受けて書いたのが『ギョレメ村でじゅうたんを織る』という児童書です。
新藤氏は自分の書きたいテーマで書く、ということを仕事にしたいと考えており、この経験がその思いが実現した最初の一歩になったということでした✨

写真左側に写っているのはとうがらしのスカーフです🌶️
トルコでは、お嫁さんがこのスカーフを被っていると、結婚生活に何らかの不満を持っているということを知らせる意味合いがあるそうです。
まさに無言の訴えですね😅

講演会の中では質疑応答の時間もあったのですが、
「今はフィクションとノンフィクションのどちらを書きたいと思いますか?」
という質問に対して、
今はフィクション(児童書)がおもしろくなってきたから書きたいと答えていらっしゃいました。
その理由として、ノンフィクションの壁を挙げていました。
ノンフィクションにおける壁とは、日本では問題にならないようなことでも事実として書いてしまうと現地では問題となってしまうので、現地の方のお話を聞いても、書きたいことが書けないというものです。
この質問の回答の中で、
「ノンフィクションでは書けないことでも、物語にしてしまえれば事実ではないけれども、自分が書きたい・伝えたいと思ったことを書くことができる、それが物語の一つの魅力である。」とお話しされていたのが印象的でした。

新藤悦子先生、貴重なお話をありがとうございました。

(上原)