みなさん、こんにちは!日文ブログスタッフ2年のW・Kです。今年度、日本語日本文学科に新しく着任された先生方のインタビュー企画をお届けします。
今回は、図書館情報学をご専門とされる熊谷慎一郎先生にお話を伺いました。 学問への熱い想いから東京生活のちょっとした苦労まで、気さくに語ってくださいました。
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熊谷慎一郎先生
Q1. この春から本学で授業をご担当されていますが、着任が決まったときはどのようなお気持ちでしたか。
熊谷先生: 着任が決まった時は、楽しみな気持ちと緊張感が半々でした。当時は前職の大きな業務の引き継ぎや仙台からの引っ越しが重なっていて、まずは目の前の仕事をどう片付けるかで頭がいっぱいでした。
東京近郊での暮らしは、実に四半世紀ぶりくらいになります。仙台での暮らしが長かったので、やはり東京の人の多さと電車の乗り換えの複雑さには驚かされます。特に渋谷駅の乗り換えはまるでダンジョンのようで、今でも迷いそうになります……!
Q2. 実際に昭和女子大学で学生と接してみて、学生にどのような印象をお持ちになりましたか。
熊谷先生: 皆さんとても真面目で、授業の出席率も高く、静かにしっかり話を聞いてくれて感心しています。課題にも真摯に取り組んでくれる学生が多いですね。強いて言えば、もう少し授業中にリアクションがあると嬉しいかな(笑)!もっと気軽に声を出したり、反応を返したりしてもらえるような雰囲気を作っていきたいです。
Q3. 先生のご専門である「図書館情報学」とは、どんな学問なのでしょうか?
熊谷先生: 昭和女子大学では「図書館学課程」と呼んでいますが、学問分野の名称としては、一般に「図書館情報学」と呼ばれています。
図書館情報学とは、単に図書館という場所を研究するのではなく、「情報や知識がどう生まれ、どのように整理され、人々に活用されていくか」というプロセス全体を扱う学問です。図書館で働くための勉強だけをするというわけではありません。
対象となるメディアも、紙の本や雑誌だけでなく、データベース、電子書籍、デジタルアーカイブまで多岐にわたります。社会の中で情報がどのように流通し、情報を求める人と情報そのものをどう結びつけるかを考える、幅広い学問分野です。
Q4. 先生が図書館学を専門に選ばれたきっかけや、魅力について教えてください。
熊谷先生:もともとは言語学を専攻し、テキストの構造やデータリンクなどを研究していたのですが、次第に膨大な情報の中から、人はどうやって必要な知識にアクセスするのかという仕組みそのものに関心が広がっていきました。
私たちが社会で生きていく中で、日々の生活で直面する選択や判断、また、自らの権利を行使することは、必要な情報や知識にアクセスできて初めて成り立つものです。その意味で、図書館などの情報機関は、立場や経済状況に関わらず誰もが平等に情報にアクセスできる「公共知識インフラ」だと考えています。このことは、災害が起きたときによりはっきり表れます。避難や生活再建、各種支援制度など、必要な情報にたどり着けるかどうかが、その後の生活を大きく左右するからです。
また、図書館には、災害の経験や地域の記録を収集し、将来に伝える役割もあります。災害時に情報を届けることと、災害の記憶や教訓を残すことの両面から、図書館と情報のあり方を考えることも、私の研究テーマの一つです。
誰もが必要な情報にアクセスし、自分で判断できる社会を支えるための仕組みを、目に見える形で実現しているものの一つが図書館です。そこに、図書館情報学の大きな魅力があると思っています。
Q5. 学生に向けて、こんなふうに図書館を活用してほしいというおすすめの使い方や、図書館を利用するうえで大切にしてほしいことなどがあれば教えてください。
熊谷先生:図書館を、さまざまな知識や情報にアクセスするための「入口」として使ってほしいと思います。探している資料が見つからなくてもそこで諦めずに、その先があると思ってほしいです。背後には全国の図書館や機関による大きなネットワークがあり、必要な資料を取り寄せたり、文献の複写を依頼したりすることも可能です。その仕組みを知って意識することが、図書館活用のための大切なポイントです。
また、迷ったときは図書館員にも気軽に相談してみてくださいね。
Q6. 日本語日本文学科を目指す高校生へ、メッセージをお願いします。
熊谷先生:文学や言語を学ぶだけでなく、「それらを調べるための仕組み」にも目を向けてみてください。 そこでは、情報を整理し、構造化することが必要です。人間は物事を考えたり、情報を整理したりするときに、言葉を重要な手がかりとして用いています。どのような言葉を使えば情報を整理し、探しやすくできるかという問題は、言葉の働きと深く繋がっています。言葉を使って情報を整理し、知識と人を繋ぐ、という側面にも関心を持ってもらえると嬉しいです。言葉と情報の関係性を考えると、日本語、日本文学の学びもさらに面白くなると思います。
Q7. 最後に、図書館学を学んでいる学生や、これから学んでみたいと考えている学生へ、メッセージをお願いします。
熊谷先生:司書を目指す皆さんを心から応援しています。一方で、人口減少や財政制約により、地域によっては図書館の維持が切実な問題となっています。これは、単に本が読めるかではなく、「人が必要な情報を得て自分らしく生きる権利を守れるか」という公共サービスの問題です。図書館で何をするかだけでなく、「社会の中で図書館をどう位置づけるか」という広い視点を持ち、誰もが必要な情報へアクセスできる社会について考えてみてください。
たとえば、採用試験の過去問を検討しながら、図書館員にはどのような知識や考え方が求められているのかを考える勉強会など、学生の皆さんの進路につながるような取り組みをしてみたいと考えています。関心のある学生がいれば、ぜひ一緒に取り組んでみたいです。
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取材を終えて
先生のお話を伺って、私たちが普段何気なく利用している図書館や情報検索の裏側には、誰もが平等に知識を得られるようにするという深い理念があるのだと実感しました。
お話がとても面白く、終始笑顔でインタビューに応じてくださった熊谷先生。 お忙しい中本当にありがとうございました!
皆さんも、ぜひ先生の研究室や授業で色々な質問をしてみてくださいね!
(W・K)