研究室便り

日本文学研究会が開催されました [2017年02月16日(木)]

<研究室便り>

2月8日(水)に日本文学研究会が行われました。
日本文学研究会は、学内の日本文学・日本語学に興味・関心のある教員による研究会で、
毎年1回開催しています。

今年度は、二つの発表が行われました。

「日本近代文学における芭蕉の受容――太宰治の<軽み>――」
日本語日本文学科教授 槍田 良枝 氏

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「ある日の彰子の怒り」
日本語日本文学科教授 久下 裕利 氏

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今回の研究発表は、近代文学、中古文学と、
二つの時代の異なる研究発表を聴くことができました。
また、当日は多くの教職員が参加しました。

学内の研究発表会では、所属や分野にとらわれず、
たくさんの教職員の方々が参加します。
普段はなかなか聴くことのできない教員の研究発表を
聴けるとても貴重な機会となっています。

(YD)

研究室だより [2016年05月06日(金)]

<研究室便り>

近時、研究活動を活発化させています。

Ⅰ《知の遺産》―出版―
考えるシリーズⅡ《知の挑発》③『平安後期 頼通文化世界を考える―成熟の行方』の原稿「物語の事実性・事実の物語性―道雅・定頼恋愛綺譚―」を2ヶ月遅れで武蔵野書院に入れることができ、本年の7月には発刊予定となりました。考えるシリーズⅡはこれをもって終了となります。ご協力いただけた先生方には深謝いたします。
その代わりに《知の遺産》シリーズを開始し、既に曽根誠一・上原作和両氏との共編『竹取物語の新世界』(武蔵野書院、2015年10月)、妹尾好信・渡邉泰宏両氏との共編『伊勢物語の新世界』(武蔵野書院、2016年3月)を刊行し、いよいよ福家俊幸・和田律子両氏との共編による『更級日記の新世界』を本年の10月に、三角洋一・横溝博両氏との共編による『堤中納言物語の新世界』を来年の3月に発行できるように準備を整えています。何しろ編者がそれぞれ二本の論文を書き下ろすという過酷なプランにしたため、論文執筆は他を絶する事態になっています。
またその間には本学の日本文学紀要となる『学苑』の1月号には「道綱の子女たち―『紫式部日記』裏面史―」を書く予定になっていますし、それらを収めた最後の単著となる『源氏物語の記憶―史実との交差』の出版も計画しています。

Ⅱ《知の発信》―講演―
全てオリジナルな発想と独自な研究成果によって組み立てられたユニークな内容です。
(1)宇治十帖の成立事情―紫式部の苦悩―
(2)上東門院彰子の人間性―中関白家の人たちとの関わり―
(3)謎解き『三十六歌仙絵巻』―歌仙絵の変遷―
(4)謎解き『源氏物語絵巻』―扇は何を意味するのか―

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(久下裕利)

 

3年ゼミ便り [2015年12月21日(月)]

<研究室便り>

今年の3年のゼミ生は9名。中世の女流日記『とはずがたり』の作品を、ゼミ形式で読み進めています。
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前半の宮廷生活編が先週で終わり、今週から諸国修行編の巻四に入りました。御所追放後、出家した後深草院二条は冒頭から尼姿で登場し、いよいよ都を出て東国へと、涙とともに出立する場面です。旅の途次に宿泊した鏡の宿の遊女、赤坂の宿の遊女の哀れな姿も印象的に描かれています。

発表者は担当箇所を丹念に調べ、問題点については調査結果をもとに自分なりの考察を整理して発表しますが、発表者以外の人も、毎回質問や自分の解釈、気づいた点などを、積極的に発言するスタイルができており、なかなか面白い発想の解釈や異なった視点による考えなどが示され、解釈や考察が深まっていくことも少なくありません。アドバイザーとしては、ゼミ生一人一人の力が発揮されることで、学びの質が高まっていくことを期待しています。

3年もあと数ヶ月という時期になりましたが、卒業論文のテーマや作品はほぼ決まりつつあるようで、平家物語、義経記、女流日記文学、風雅和歌集、お伽草子など多彩です。

少人数のゼミの授業をとおして、学生個々の潜在的な力を引き出せるよう、今後とも努めていきたいと思います。

(ks)

「ああ、長崎十六番館」 [2015年11月18日(水)]

<研究室便り>

作家、遠藤周作は、しばしば長崎を舞台にした作品を書きました。「沈黙」「女の一生 一部・キクの場合」「二部・サチ子の場合」など。
今回、長崎の遠藤周作文学館で調査をするついでに、ずっと気になっていたある実地踏査をすることにしました。それは、「今、長崎十六番館はどうなっているのか」です。

〈ミニ講義〉遠藤周作の代表作「沈黙」は、長崎十六番館で親指の痕のついた踏み絵を見たことがきっかけで執筆されました。その指痕に「本当は踏みたくなかったのに、拷問が怖ろしかったために踏んでしまった、切支丹(きりしたん)信徒たちの思い」を遠藤は読み取り、その弱い者たちの痛みを理解し、母のように受け止め、慰めてくれる存在-母なるイエスを書いたのです。

その踏み絵は東京国立博物館に収められ、十六番館は閉じられた、ときいていました。
ところが、インターネット検索をすると、「南山手十六番館歴史資料館」の案内や「十六番館見てきました」の記事が……。「???」。

はるばる長崎まで飛び、駅に着くや、まずは電話(案内にあった番号)です。
       →「この電話番号は現在…」。やっぱり。
駅の近くにある日本二十六聖人殉教地資料館見学の後、そこの受付の方にうかがっても、
       →「たぶんないですよ」。やっぱり。
もう、行ってみた方が早い。

路面電車に乗り、一路、南山手へ。
大浦天主堂やグラバー園へと流れていく観光客たちを後目に、ひとり右手に進むと……。
「ああっ! (^o^) 」ありました。案内で見たとおりの建物。説明板もあります。

南山手長崎十六番館

南山手長崎十六番館

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ところが、喜んだのもつかのま。左手をよく見ると…。
「ああっ! (>_<) 」何たること。

驚きの真相

驚きの真相

真相を知った私は何だかとっても疲れてしまい、大浦天主堂の木の椅子に腰掛け、しばし呆然とし、癒やされたのでした。
ついでに言うと、大浦天主堂の祭壇横のマリア像は〈信徒発見〉のきっかけとなったもので、遠藤も「女の一生」でとても感動的に描いています。

私を慰めてくれた大浦天主堂

私を慰めてくれた大浦天主堂

翌日、気を取り直して、遠藤周作文学館に向かいました。

遠藤周作文学館

遠藤周作文学館

目の前は〈碧い〉海です

目の前は〈碧い〉海です

(FE)

2015秋 馬瀬狂言を観に行く [2015年11月05日(木)]

<研究室便り>

10月3日、朝6時の新幹線に乗って、伊勢に行ってきました。伊勢は来年のサミット開催地に決まった風光明媚な観光地でもあり、近年ではパワースポットとしても知られた場所ですね。

この伊勢市内には古くから能や狂言が継承されています。それらは、一色能・通り能・馬瀬狂言の三つの団体ですが、それぞれの芸を一度に観ることができるのが、「伊勢の伝統の能楽まつり」です。今回は4時間にわたる上演の撮影のため、いせトピアに足を運びました。

まず、一色能こども教室の生徒さん達(今回は運動会シーズンと重なり、例年より少なかったのが残念でしたが)による仕舞から始まり、独吟「半蔀」、仕舞「千寿」(通り能)、連吟「海人」・「融」、仕舞「女郎花」、半能「田村」(一色能)などが演じられ、小学生からご高齢の方まで、大きな能舞台で、日頃の稽古の成果を存分に発揮されました。

仕舞(一色能)

仕舞(一色能)

仕舞(通り能)

仕舞(通り能)

半能「田村」(一色能)

半能「田村」(一色能)

そして馬瀬狂言は「雷」「水掛婿」「文荷」の三番、盛りだくさんのプログラムでした。伺ったところでは、今年の秋祭りは一番のみの上演であったとのことで、今回の公演が今年初めての大舞台だったそうです。

さて、演じられた曲について、簡単に紹介します。
「雷」にはなぜか痛風持ちの雷様が登場します。たまたま雲の切れ間から落ちてしまい、ちょうどそこを通りがかった医者に薬をもらったり、針を打ってもらったりして、何とか天上に帰ることができるというお話です。

馬瀬狂言「雷」

雷様が針の治療を受けると…。

雷様が針の治療を受けると…。

雷様も飛び上がるほど痛いようです。

雷様も飛び上がるほど痛いようです。

雷様に人間の薬や針が効くところもおもしろいのですが、曲の最後、雷様が天上に帰る前に一悶着起こります。医者から治療代を請求され、雷様は困ってしまいます。そこで、眷属を引き連れ御礼に来ることを提案すると、医師は一人落ちるのさえ大変なのに、大勢の雷が落ちたらどうなることかと断ります。そこで、雷様は改めて医者の願いを聞き、五穀豊穣となるように計らってくれる約束をして、天上に戻っていきます。
人と雷が普通に会話している場面もよくよく考えると面白いのですが、狂言に登場する雷や鬼はこのように人間的なところを持っています。こうした役柄は、鬼や雷の姿ではあるものの、描かれるのは人としての営みの一場面であり、人間の本質を笑いでくるみながら描く、狂言ならではの登場人物であると思います。

この他にも、聟と舅が田んぼの水を取り合う「水掛聟」や、主人から預かったラブレターをいい加減に取り扱い、しまいには「風の便り」などといって、扇で扇いで届けたことにしてしまう太郎冠者、次郎冠者の活躍(?)を描いた「文荷」など、楽しい演目が続き、会場は和やかな笑いに包まれました。

馬瀬狂言「水掛聟」

聟と舅の水を巡る争いは…

聟と舅の水を巡る争いは…

聟の勝ち

聟の勝ち

馬瀬狂言「文荷」

恋文をわざわざ担げて運ぶ太郎冠者・次郎冠者

恋文をわざわざ担げて運ぶ太郎冠者・次郎冠者

二人で文を扇いでいると、主人の姿が…。

二人で文を扇いでいると、主人の姿が…。

馬瀬から応援のために駆けつけた方々とも会場でお会いするができました。
いつものことながら、これらの伝統芸能が、それぞれの地域で育まれたものであることを改めて感じると共に、こうした上演の場に立ち会える喜びをかみしめた伊勢での一日でした。

(山本晶子)

 

 

夏、モンゴルに行ってきました! [2015年10月31日(土)]

<研究室便り>

日文助手Iです。
少し前の話になりますが、今年の夏、旅行でモンゴルに行ってきました!

モンゴルの自然や文化(衣食住、音楽、美術…)に触れたこと、
すべてが私にとってよい刺激、かけがえのない時間となりました。

留学や海外プログラムを終えた学生さんからよく、
「日本を客観的に捉えることができるようになった」と聞きますが、
まさに、その言葉を実感しました。

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モンゴルの風景”みなさんご存知、ゲル”

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モンゴルの風景”壮大な景色!”

異文化体験として、これから記事の合間にちょこちょこ載せていきたいと思います。

(IM)

ゼミのつながり [2015年10月26日(月)]

<研究室便り>

3年生から卒業論文を書くためにさまざまな手法や考え方を実践的に学ぶ演習(ゼミ)が本格的に始まります。
ゼミの仲間同士が、お互いに意見を交換しながら授業がすすみます。
人の考えを聞いて、意見を言い、言われた方はそれを受け止めるわけです。
そのようなことを続けていくと、信頼関係が生まれます。
上の学年と下の学年の交流も生まれることがあります。
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ゼミの仲間で、高尾山にハイキングに行きました。
といっても、この写真の半分はもう卒業したゼミの人たちです。
卒業しても、またみんなで集まることのできる絆が生まれることもあるのがゼミという授業です。
(MN)