2012(平成24)年度 卒業論文中間発表会

7月28日の午後、卒論中間発表会が行われました。これは、卒業論文を執筆する4年生全員が、自分の卒業論文の研究計画と進行状況を報告する催しで、毎年この時期に行われています。主に3, 4年生が参加し、6つの会場に分かれて、それぞれの研究に対し、質疑応答と議論を行います。実はこのイベント、3, 4年生たちの不安が一気に高まる機会となっています。

発表風景①

4年生は、この発表会の準備に多くの時間を費やします。自分の研究計画が他者に伝わらない限り、建設的な議論ができないからです。ここでのプレゼンテーションは、強弁するだとか、様々なテクニックを駆使してとにかく唱導方向に導くだとかいったことは避けなければなりません。短い時間で、相手にこちらのアイディアを正確に理解してもらうことが目標になります。4年生は、試行錯誤を繰り返します。指導教員やゼミの学生を相手にリハーサルを繰り返し、散々にダメ出しを受けて修正し、本番に臨みます。そこまで努力して初めて議論ができるようになるのだ、という体験は、後の社会人生活で大いに役立つことでしょう。もちろん、発表してもらったコメントはそのまま卒業論文に役立ちます。

発表風景②

3年生は、内容理解と議論参加につとめますが、時に高度すぎてついていけないという恐怖を味わうことになります。これまで専門教育を受けてきたとしても、それだけでは不十分だということに気づかされるのです。この否定的な経験は、一年後を見据えて準備をしなければならないという教訓になります。そして、高度な内容をプレゼンする4年生に素朴な憧れの念を抱きもします。その結果、一年後に向けて達成動機づけが高まることになります。

このような厳しいプレッシャーの中、学生たちは卒論中間発表会を無事にやり遂げました。この後、各研究室で催されるであろう「打ち上げ」は解放感からきっと盛り上がることと思います。そして、また明日から研究活動に励んでくれることでしょう。

文責:藤島喜嗣