2023年度 優秀卒業論文 『新型コロナウイルス感染症流行後におけるマスク着用動機と着用行動の検討 ―社交不安と感染脆弱意識に着目して―』

2023年3月、新型コロナウイルス感染症対策のひとつであった「マスクの着用」が任意となりました。しかし、その後もマスクを着用し続ける人もいます。それはなぜなのか？

このマスク着用行動について動機を明らかにし、先行研究で示された「社交不安^※1」と「感染脆弱意識^※2」との関係について再検討しました。

※1 社交不安（social anxiety）…他者から注目を浴びる，あるいは恥をかくかもしれない状況（会話，プレゼンテーション，会食などの対人場面）に対して感じる不安のこと。

※2 感染脆弱意識（PVD; perceived vulnerability to disease）…感染症に対する嫌悪感情の一種で，風邪やインフルエンザなどへのかかりやすさの自覚（易感染性）と，誰が触ったかわからないものなど不衛生なものに対する不快感（感染嫌悪）から構成される。

もともと人間の表情認知について関心がありました。

そこで、表情による印象評価を研究テーマに実験しようとしましたが、上手いアイディアが見つかりませんでした。

そんな時、マスク着用が任意になることが発表されました。マスクを外した生活が再開することで、行動や判断に何らかの変化が生じるだろうと考え、今回の研究テーマにたどりつきました。

心理学研究を行う上で重要なのがデータ収集です。

そのため調査依頼の際には、研究目的を分かりやすく説明するだけでなく、安心して回答いただけるようにデータの保存方法などを研究倫理に基づいて説明しました。

また、私の研究ではマスク着用行動に関する複数の要因を取り上げたため、それぞれに対応する分析を行う必要がありました。慣れない分析は時間がかかりとても大変でした💦しかし、仮説で考えたことを１つ１つ検証することができました✨️

人間の心理はとても奥深く、知れば知るほど面白いです。

本学の心理学科では、幅広い分野を学ぶことができます。先生方は授業はもちろん、授業外でも親切に接してくれます😊

心理学に興味関心がある方、ぜひ昭和女子大学心理学科で楽しく心理学を学びましょう！