「人を想い、人のために心を働かせること」 ~ 授業「介護等体験の指導」で見える学生の姿から ~

義務教育に携わる教員免許状取得希望者には、7日間以上の障害者や高齢者等に対する介護、介助、交流などの『介護等体験が義務付けられています。
その目的は、「教員が個人の尊厳及び社会連帯の理念に関する認識を深めることの重要性にかんがみ、教員の資質向上及び学校教育の一層の充実を図るため」とされています。

本学においても、学生が介護等の体験を円滑に行うことができるよう事前指導を行っていますが、

近所の福祉施設でアルバイトをしています
親が介護職員として働いています

といった頼もしい学生もいれば、中には、

(障害者や高齢者と)接した経験があまりないです
どのような話し方がよいですか

などと、不安や心配がある学生の様子も伺えます。


そこで、大学近隣にある福祉施設「社会福祉法人デイ・ホーム太子堂」様にご協力いただき、「プチ交流体験」をさせていただく活動を授業に取り入れることにしました。

教員になると、地域の様々な福祉施設との交流や、高齢者や障害がある方との連携、協働する機会があります。今回の交流体験は、学校現場での教育活動にも生きて働く経験になるのではと考えられます。

事前指導の授業では、学生が幾つかのグループに分かれて、交流内容について相談を始めました。
童謡や手遊び歌、レクリエーションを取り入れたり、手作りの花💐や御守りなどを作成したりして、高齢者の方々についてのイメージを膨らませながら取り組んでいました。

中には、その交流活動は皆が楽しめるのだろうか…もう少し配慮をした方が…と感じる内容もありましたが、私が想像していた以上に、デイ・ホームに通所されている方々は学生たちの考えた交流内容を楽しんでくださいました。
実際に経験することで、人とのふれ合いや一人一人の個性などについても実感したり気付きを得たりすることができたのではと感じました。


人を想い、人のために心を働かせることは、介護等体験に限ったことではなく、特別な配慮や支援を要するこどもをはじめ、かけがえのない多くのこどもたちと接する教職に携わる者にとって、最も必要な素養のような気がします。

それはまた、誰一人取り残すことのない」「多様性と包摂性のある共生社会の実現に向けて歩みを進めていく教員を目指す学生にとって、身に付けておきたい大切な資質であると感じます。

今回は、短い限られた時間の「プチ交流体験」ではありましたが、学生と対話しながら贈り物を受け取ってくださった高齢者の方の中には、涙を流しながら喜んでくださる方もいらっしゃいました。

デイ・ホーム太子堂の方々からも、歌の贈り物をしてくださったり、
ありがとう」「また来てねといった温かい言葉をかけていただいたりしました。

これからも、教職を目指す学生たちが、
人を想い、人のために心を働かせる気持ちを持続して抱き続けてくれることを願っています。

(初等教育学科 特命教授 宮本雅司)

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