現代教養学科 「アート・マネージメント」No.2

コンサート「チェロで聴く物語 『ゴーシュ』から“ドビュッシー”まで」ご報告!

現代教養学科開設科目「アート・マネージメント」の授業では、コンサート・バレエ・演劇・展覧会など、アートの催し物を開催するための基礎知識を学ぶところから始め、集大成として毎年クラシック・コンサートを開催しています。
今年で7回目を迎えたコンサート。これまで、ソブラノ、ヴァイオリン、ハープ、サキソフォーン、ピアノ、揚琴(中国の伝統楽器)など、毎年異なる内容で開催してきました。
今回は、チェロの植田昭雄さん、ピアノ伴奏を佐藤勝重さんにお願いしました。
前期の授業では、アート・マネージメントの意義を学び、コンサートを開催するにあたっての方法や、音楽著作権法など、パーフォーミング・アーツをマネジメントするために必要な基礎知識を学びます。
後期の授業では、前期に学んだ知識の実践として、学生がクラシック・コンサートを企画・立案し、本番に向けての準備、運営を行います。
学生と教員、アーティストが、ディスカッションを重ねながら、内容を決定していきます。自分の意見を持つことの大切さを実感する場でもあります。
たとえば、コンサートのチラシにはどんな情報が必要なのか、どうすれば人の目に止まるのか等々、ディスカッションを重ね、自分たちでチラシを作成していきます。
また、プロの演奏家に授業に何度か参加していただき、ディスカッションを通して、コンサートのコンセプトや演奏する曲目などを決めていきます。
このように、企画立案・広報・チケット販売・当日の運営に至るまで、ゼロから本番までのすべての流れを体験し、コンサートができるまでのプロセスを学びました。
そして迎えた本番・・・。
今年度のコンサートの様子を写真と文章で紹介します!

会場の“サロン・テッセラ”は、小規模ながら、サントリー・ホールなど日本の名だたるホール設計で知られる永田音響設計による素晴らしいホールです。演奏の様子を間近で見ることができるのは大きな魅力!

コンサートの前半は、チェロにちなんで宮澤賢治の「セロ弾きのゴーシュ」を選び、学生の朗読とチェロの演奏で構成しました。
物語に描かれるシューマンの「トロイメライ」や、ベートーベンの交響曲第6番“田園”のほか、原作からイメージされる曲を数曲演奏してくださいました。

後半は、植木さんのリサイタル。
楽しいディズニー・メドレーで始まり、ドビュッシー「チェロ・ソナタ」、ショパン「序奏と華麗なるポロネーズ」、最後に植木さんのお子様が誕生された時にご友人の啼鵬氏が作曲してくれたという「The Short Story From Daddy」を演奏してくださいました。

途中に、学生からのインタビュー・コーナーを設けました。植木さんは一つ一つの質問に、とても誠実に、丁寧に答えてくださいました。

アンコールは、国連平和賞を受賞したカザルスが国連本部で演奏したという「鳥の歌」。世界中のすべての人が平和に暮らせますように・・・植木さんの思いが、弦の響きから切々と伝わってきました。

学生から感謝を込めて、植木さん、佐藤さんに花束を差し上げました。

最後に植木さんが、ステージでスタッフを紹介してくださいました。

プログラムに挟み込んだアンケートの回収率は90%以上!(ご協力ありがとうございました!)
多くの皆様がご意見ご感想を書いてくださった中から、一部をご紹介させていただくと・・・
◆ゴーシュの演出、楽しかったです。リサイタルも最高。選曲も演出も素晴らしかったです。
◆大ホールでの演奏とはちがった身近に演奏する姿が拝見できてよかった。
◆アーティストとの十分な意思疎通が図られたことが推測でき、コンセプトと演奏のマッチした居心地の良いコンサートでした。
◆芸術系の学部に通う学生です。プログラムまで構成していたことにおどろくと同時に、こういったことに取り組める授業をうらやましく思いました。
◆これからの企画も楽しみにしています。

・・・などなど。
とても好評だったことがわかり、学生たちの努力が実を結んで本当に良かった~と、ホッと胸をなでおろしました!
来年も、学生と一緒に素晴らしいコンサートにします!!

(記事:J.F.)