現代教養学科ブログリレー - 現代教養とは… Fill Up Your Senses! シム先生 -

皆さん、「教養って何ですか?」と聞かれたら、ちゃんと自分の言葉で答えられますか。とりわけ現代教養学科で学んでいる学生であるのなら、面接などでうまく説明できなければ、アウトですね。「もう帰っていいよ~」と面接官に言われるのが関の山です。

 

 

図書館で調べたりググったりすれば、何かしら答えは見つかるかもしれませんが、これまでの学びにもとづいて自分の言葉で語れなければ、単なる受け売りになってしまってボロはすぐ出るでしょう。そこで皆さんの参考のために、シム・バージョンの「教養」を紹介しますね。キーワードは、AI・VRの時代だからこそ重要な「センス」です。それも四つあります。

 

① Sense of Proportion

ここで言うProportionは「釣り合い」「均衡」「調和」「バランス」という意味で、教養におけるSense of Proportionとはずばり「センスのバランス感覚」であり、疑う力を発揮しながら多角的視点から価値を捉えることができる力です。この力を獲得するためには、まず本をたくさん読んで幅広い知識を持つことが望ましいことは言うまでもありません。So, read and Read and READ!

 

 

 

② Sense of Humor

数年前に、歌手の宇多田ヒカルさんが周りのスタッフに「ねえ、『絶望』の反対語って何だと思う?」と問いかけたところ、スタッフたちは皆で考えた末に「やっぱりそれは『希望』じゃないですかね」と答えたそうです。ところが、宇多田さんは「うーん、なんか違うんだよねー。私は『絶望』の反対語は『ユーモア』だと思う」。さすがです!座布団三十枚です!絶望的な状況に置かれても、その惨めさを笑い飛ばせるような、誰も傷つけずに笑いを希望につなげられるような人は高い教養のある人だと僕も強く思っています。コロナ禍のこの時期において特に重要なセンスです。Do you understand what I am trying to tell you?

 

 

 

③ Sense of Empathy

単刀直入に言うと、これは人と分かり合える「共感センス」です。相手の立場になって考えるこのセンスがなければ、豊富な知識も宝の持ち腐れです。Sense of Proportionが「マインド」だとすれば、Sense of Empathyは「ハート」です。ただ、同情を意味するSympathyと間違えないでくださいね。Are you following me?

 

 

④ Sense of Wonder

何と言えばいいのでしょうか。生命、自然、宇宙の不思議に感動する心と言いますか。辛いことはいろいろあるけれども、それでも生きていること、生かされていることに感謝する気持ちといいますか。例えてみれば、真っ赤な夕日、新緑の森林や広大な花畑を眺めて感動するのは難しいことではありませんが、部屋の窓から差し込む一筋の木漏れ日、道に落ちている一枚の枯れ葉やアスファルトに咲く一輪の名も無き花を見ても心が動かされる人はSense of Wonderを持っていると僕は理解します。この本を読みなさい(今度僕から借りてもいいですよ):

 

 

以上の四つのセンスを持つことが僕の考える「教養」です。あなたは?肩肘張らずにゆっくりと自分なりの「教養」を定義すればいいです。因みに、Senses of Proportion, Humor, Empathy and Wonderの頭文字を取れば、ちょうどPhewになります。Phew(ふぅ~、ヒュ~)は息を短く吐いて出す口笛に似た音で、安心したとき、ほっとした気持ち、疲労、不快や驚きを表すため息でもあります。Phewいろいろ、人生いろいろ、「教養」だっていろいろです。何はともあれ、Let’s Just Fill Up Our Senses!