2019年12月

芝居茶屋~文楽鑑賞それぞれの視点~ [2019年12月25日(水)]

<日文便り>

日文の開講科目「日本文学Ⅱ(古典D1) 江戸の芝居」では、12月上旬にご担当の東晴美先生引率のもと国立劇場主催の「文楽鑑賞教室」に行ってまいりました。「演劇鑑賞の醍醐味はその後のお喋りにある」という東先生の発想から鑑賞直後の教室は「芝居茶屋」を開きます。学生たちがそれぞれ違う視点から芝居について語る年末恒例のお楽しみでもあります。国立劇場で観た演目は「伊達娘 恋緋鹿子」、「平家女護島」の2つ。どのような切り口で、芝居を観ていたのか感想の一部をご紹介します。

    

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・「伊達娘 恋緋鹿子」で投げた刀をキャッチしたシーンで会場から一気に拍手が起こってその一体感に感動しました。「わかる!」「すごい!」と心の中で叫びました。

・船が遠ざかる程俊寛の命も遠くなると考えると船の役割は命の暗喩と解釈できます。

・どちらの演目も最後は絵画的な美しさで終わっていた。こういった場面を描いた絵画は
存在するのか興味がある。

・(文楽の人形は)3人遣いで動かしていることを忘れてしまうくらいなめらかな動きだった。

・奥さんに会いたくて江戸に帰りたかったのに奥さんが殺されて希望を失くした俊寛の芝居を
見て涙が出てしまった。刀を抜く瞬間の覚悟は想像を絶する。

・話し合うことまでが演劇鑑賞ということが印象に残りました。

・(人形遣いが)約10~20年かけてお客様を楽しませるために修行を重ねていることはただただ
感心します…

・「平家女護島」で俊寛を船に見送る引きのシーンから、セットの回転により一気に俊寛の迫力
あるアップのシーンに切り替わる場面は、映画を彷彿とさせる演出方法だなと思いました。

・今回の芝居茶屋で、自分では気づかなかった視点や次見るときどこに注目すればいいかという
ことを知ることが出来たので、学生のうちにまた観たいなと思いました。

・「思ふ男に分かれては所詮生きてはゐぬ体、炭にもなれ灰にもなれ」、「三世の契りの女房死  なせ、何を楽しみに我一人、末の月花見たうなし」、「焦がれても叫びても、あはれ訪ふ人と
てもなく昔は鷗」語りの表現がすごく素敵でした。強く印象に残りました。

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今年の授業も無事終わり、大学は冬期休暇に入りました。
1年間ブログをご覧くださった皆さま、どうもありがとうございました。
2020年も、日文生の活動の様子、先生方の研究など随時発信してまいります。

それでは、よいお年をお過ごしください!

(KM)

 

留学生対象「日本語」クラス その2 [2019年12月20日(金)]

〈授業風景〉

本学の留学生受け入れ制度のひとつで、半年間日本語力を強化する日本語集中プログラムの中より「コンテンツで学ぶ日本語」という授業の様子を紹介します。

前回に引き続き、後期から来日した留学生が、
「興味のある日本製品」というテーマで発表を行いました。
まずは発表を行うにあたり、注意するべき点や大切にすることをCAN-DOリストを使ってみんなで確認をしていきます。この日はガーさんとキムリーさん、2人の司会で発表が進められました。

今回もそれぞれが選んだ日本製品について、選んだ理由、製品の特長、企業の研究などを
具体的な数字や画像なども交えながら発表を行いました。

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グラディアさん<豆乳>
植物性でコレステロールもなく、抗ガン作用も期待されているため健康にとてもいい。
味も何種類もあり飲みやすく、自分も毎日飲んでいるので是非皆さんにもおすすめしたい。

 

ミンディさん<ウォッシュレット(温水便座)>
日本の寒い冬での温かい便座がとても快適で気に入っている。
日本での普及率は80.2%であり、トイレのイメージをよいものにしている温水便座は日本文化の象徴の一つだといえる。

 

ヴァレンティーナさん<ゲームボーイカラー>
世界中で3番目に多く売れたゲーム機。
自分も初めて持ったゲーム機で、これでイタリア語を学び、今も日本語の練習に大変役立っている。日本でしか買えないソフトもぜひ手に入れたい。

 

トゥさん<使い捨てカイロ>
使い捨てカイロは体を温めるだけでなく
血行をよくしたり体の痛みを和らげたりとたくさんの効能がある。
開封するだけで温かくなりコンパクトで持ち運びに便利なので、ぜひ皆さんにおすすめしたい。

 

チェンヒムさん<インスタントカメラ>
インスタントカメラの中でも、チェキはデザイン性が高く値段もお手頃で、使い勝手がいい。
旅行や写真を撮ることが好きな人、思い出を残したい、飾りたい、楽しみたい人におすすめ。

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日本で暮らす私たちにとって当たり前となっている日本製品について、
留学生が興味をもったきっかけや理由を知ることはとても新鮮で興味深く、
私たち日本人にとっても新しい発見がありました。

留学生は発表後の質問にも、調べた情報を伝えたり、自分の考えを述べることができました。
しっかりとした準備と練習の成果を感じられた素晴らしい発表となりました。

(IR)

受験生の方へ~中国文学について~ [2019年12月20日(金)]

〈受験生の方へ〉

日本語日本文学科では中国文学を学ぶことが出来ます。今回は実際に中国文学ゼミで学ぶ学生
のメッセージを紹介します。

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出身高校が論語教育に力を入れていたので、そのことがきっかけで『論語』に興味を持ちました。そこで、孔子の考え方をさらに追求したいと考え、現在大学では中国文学ゼミに所属し、『論語注疏』と『論語集註』に基づいた解釈をしながら日々孔子の考え方について勉強しています。
『論語注疏』は訓読文のない白文なので、読むのが大変ですが、やりがいがあり漢文を読む力が身につきます。また、論語を読み解くには中国の歴史やその時代背景を知る必要があるので、色々な書物を読んだり、先生が授業のなかで様々な知識を教えてくださります。

 

他には「中国文学Ⅱ(中国B)」の授業も受けています。この授業では『白氏文集』を勉強しています。白居易の詩は大きく諷諭詩と閒適詩で分かれていて、これらを前後期で学びます。多くの詩を読むことで白居易の姿が詩から想像することができるので、とても楽しいです。

(IC)

留学生対象「日本語」クラス その1 [2019年12月19日(木)]

〈授業風景〉

本学の留学生の受け入れ制度のひとつに、半年間日本語力を強化する日本語集中プログラムがあります。今日は「コンテンツで学ぶ日本語」という授業の様子を紹介します。

後期から来日した留学生は、これまで「街でみつけたおもしろいもの」「SWUの良さを伝える」など様々な内容で日本語力を強化してきました。
今回の授業では「興味のある日本製品」というテーマで発表を行いました。

留学生がその製品を選んだ着眼点は実に個性的です。
暮らしを便利にするスマート製品、
自分に国にあったらいいなと思う製品、
好きなキャラクターグッズ、
日本ならではの製品、です。
それぞれ選んだ理由や感想だけでなく、製品の特長を捉えながら発表を行っていました。
また企業研究もきちんと行っており、
創業年、売上高、成長率などを必要に応じて説明を加えていました。

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ジュリアさん<炊飯器>
自分でよく料理をするので炊飯器に興味を持った。
スマートフォン対応で遠隔操作など高機能。
お米の種類により炊き方を変えるのが素晴らしい。

チャンさん<スマートウォッチ>
スマート機能の製品。
携帯代わりにもなり、これ一つで電話もメールもでき、音楽も楽しめて便利!

ガーさん<Nウォーム寝具>
温かく使いやすい。商品により価格帯に幅があり、電気も使わずエコ。
友人が使用していて自分も興味を持った。

モニーニアットさん<コラーゲンCゼリー>
半年前から摂取しはじめ、肌がきれいになりトラブルが減った。
企業にとって安定成長の製品であることにも興味を持った。

ヴィチェカさん<Suica>
小さく軽くデザインが良い。
交通に買い物に、レストランに、現金が不要。
母国でもこのようなシステムがあれば良いと思う。

キムリー<ランドセル>
日本の小学生がみんな使っているので興味を持った。
体にフィットするように作られており強度もある。

ヘジョン<ハローキティの商品>
日本を代表するキャラクター。
可愛くて親しみやすく人の心を捉える表情。
資産価値も高い。個人的にもとても好き。

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どの学生も何度も練習してきた成果が見られて素晴らしかったです。

(KW)

教職座談会を行いました(その2) [2019年12月17日(火)]

〈日文便り〉

12月14日(土)、教職に就いている卒業生を招き、教職履修者との座談会を行いました。
後輩に自身の経験や教員としての想いを熱く語る卒業生と、
熱心に耳を傾け、次々と質問をする在学生という非常に充実した時間となりました。

今回は講師として招いた卒業生の感想・在学生へのメッセージを紹介します。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
久々の大学は、なつかしく、呼んでいただき大変嬉しく思います。ありがとうございました。
学生さんとお話させていただき、私自身も「教師」という仕事に改めて向き合うことができました。
教職の資格は、すぐ教師にならなくても、自分の人生の中で役立つことがあると思いますので
(子育てなど)、卒業後すぐ教師になりたい人もそうでない人も、大学時代に思い切り学んで
みんなで成長していってほしいと感じました。

と、言いつついずれ、後輩のみなさんと働くことを楽しみにしています!
本日はありがとうございました。
(2012年卒 I.M)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本日は、お招き頂きありがとうございました。

普段、中学校の生徒としか触れあっていないので、大学生の皆さんとお話しする機会に
とても緊張しましたが、私にとっても良い刺激になりました。
教職に就きたい人も、そうでない人も、悩んでいる人も、まずは大学4年間を目一杯楽しんで下さい。
そして、たくさん勉強して下さい。「勉強し放題」は、これがラストチャンスです。
とても久しぶりに大学へ来ましたが、私が学生の頃と変わらない1号館3階の雰囲気に、ほっとしました。
学生の皆さんが、今日の座談会を「何かのきっかけ」にしてくれることを祈りつつ、
私も今日の経験を現場に生かそうと思います。
すてきな時間を、ありがとうございました。
(2012年卒 O.Y)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本日は教職座談会にお招きいただき、本当にありがとうございました。

自分も大学入学した時、どのような気持ちで教職を履修しはじめたか、教師になろうと決めたきっかけ、
採用されてからここまでの道のりを振り返る良いきっかけになりました。
教職は人の人生に関わり、影響を与える仕事です。人生に”正解”がない(?)ように、
教職にも”正解”はありません。自分がおかれている状況の中で今の自分には何が出来るのか考え、
一つ一つを行動に移し、その時その時に自分が出来ることに全力で取り組むことが大切だと思います。
大学生活も今しかありません。同じ時間はやって来ませんので、全力で楽しみ、学び、悩んで下さい!
(2014年卒 I.C)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
久しぶりに大学を訪れてとても懐かしく思いました。まだ、教員となって1年目なので、
仕事について
話せるものは限られていたのですが、その分教育実習や教員採用試験についてなどの
情報提供は
できたのかなと思います。
「教員はブラック」と言われていますが、子供の成長の手助けができる非常にやりがいのある職業です。
この教職座談会をきっかけに教職についてもっと興味を持っていただけたら幸いです。
本日はありがとうございました。
(2019年卒 S.C)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  

  

教職を志す学生にとって非常に充実した座談会となりました。
卒業生のみなさん、お忙しい中、貴重な時間をありがとうございました!

(UR)

教職座談会を行いました(その1) [2019年12月16日(月)]

〈日文便り〉

12月14日(土)、教職に就いている卒業生を招き、教職座談会を行いました。
前半は司会者との質疑応答、後半は数名のグループに分かれての座談会というスタイルで、
教育実習時代の思い出や教員採用試験、現在の仕事などさまざまな話を聞きました。

以下、参加学生の感想を紹介します。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
どの仕事も大変だと思いますが、教師は気持ちの持ちようで大変だと思いました。
子どもの問題だけでなく、保護者の方との問題も解決していかなくてはいけないことを知りました。
教師になるべき人は本当に子どもが好きで、子どものためにと考えられる人だと思いました。
よく教職ブラックと言われていますが、好きな仕事だからこそ続けられる仕事だと思いました。
最近、一般企業を経てから教師になる人がいると聞きました。
確かに、教師の仕事は学校内なので視野が狭まってしまうと思います。
なのでいろんな経験を経てから教師になる人も必要だと思いました。
教師の方は生徒それぞれに対応の仕方を変えて指導していくことが大変だと思いました。
また、教えることと人の話を聞くことの両方の力が必要だと思いました。
(1年 NM)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
具体的な話がたくさん聞けてとてもためになりました。
教員は大変だというのがよく伝わってくるエピソードが出てきたとき、少し不安になりましたが、
みなさん一貫して子どもが好きで楽しいという空気が伝わってきたので、いいなと思いました。
個別でお話をきいたときも、自分の聞きたいことがきけたので、いい機会になりました。
やはり、本物の先生のリアルな話を聞くのは、ネットの情報よりも詳しく、分かりやすかったので、
またこのような機会があればいいなと思いました。
(1年 UN)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
いかに自分が教師という仕事に対してどう思うかが大事だということがわかった。
大変なこと、苦労することをたくさん知ったが、それでもやりたいという気持ちが
逆に駆り立てられたので、頑張りたい。
(1年 TN)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あまり聞く機会のないような教員の話を聞くことができてとてもためになりました。
特に3年後、卒業式をどう向かえるかという先生のお話はすごく印象的でした。
教員は大変と言われるけれど、あまりそう思ったことがないとも言っていて、
そういう風に思えるからこそ続けられるのだなと思いました。
私も頑張ろうと思える時間となりました。
(2年 KS)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
具体的な話を伺えたことで、教員になった際のイメージを描くことができました。
保護者が管理するべき部分にも教員が関わるなど、教職の座学の授業では知り得ないことを
聞くことができたのが良かったです。
(3年 IA)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
4月から教員生活がスタートする立場なので、1年目の先生から8年目の先生まで、
現場の様々な話を聞くことができてとても勉強になりました。
また、数日前に就職先の研修があったばかりで、私学のことを学んできたばかりなので、
公立とのちがいや公立だからこそ大変なことは、参考になりました。
現場の先生方のお話を聞けば聞くほど、卒業までの時間をつかって教員になる覚悟を
決めなければいけないし、大変な仕事に就くことも、改めて自覚しなければいけないと感じました。
教員となって学生にお話をしてくださる先輩方が、すごく素敵で、自分の仕事やこれまでの経験に
誇りをもっていらっしゃるんだな、と強く感じました。
そんな教員、または一人の大人になれるように、これからたくさん努力したいです。
(4年 HK)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

   

次回は講師である卒業生のコメントをアップします。
お楽しみに!

(UR)

 

 

(続)SWU×TUJ交流企画「頭と体を使って楽しむ狂言講座」を開催しました [2019年12月11日(水)]

<日文便り>

前回に引き続き、11月27日に行われた「頭と体を使って楽しむ狂言講座」の運営に携わった日本文化発信プロジェクトの学生から寄せられた感想を紹介します。

○狂言についての発表でのリアクションや、質問コーナーでの途切れない質問に、自分が思っていた以上に狂言に関心が持たれていることを実感しました。

○今回の活動で、学外の人との交流で、自分たちの活動を振り返り、またその意義を感じることができ、大事な機会だったと思います。交流会を通して異文化を伝えるには、やはり本物を見せること(プロフェッショナルである野口さんに来ていただき実際に狂言を見てもらうこと)、座学だけでなく体を動かす時間があることが大切だと感じました。

○前半は教える立場、後半は教えられる立場を経験した。二つの立場を短い時間で経験したことで、何も知らない無垢の状態に新しい知識を伝える行為は、伝えられる方の興味をどれだけ惹けるかが重要であることを実感した。

○TUJの先生から、「日本人には違和感なく、外国人にも理解できる発表だった。」ということを聞き、自分たちは外国人に理解してもらうにはどうしたら良いかということを一番に考えていたが、専門用語などが多くある場合、それをあまり知らない人に教える時には簡単な言い回しにすることが日本人にとっても必要だと思いました。

○今まで何度か留学生と話をする機会があったので、今回の発表でもゆっくりと分かりやすい言葉で話すことを意識しながらできました。

後から留学生の方に内容を理解できたか質問したところ、わかりやすかったと言って貰えたので良かったです。参加された皆さんも楽しそうにしていましたし、狂言に興味を持ってもらえてとても嬉しいです。私自身も新しい知識を身につけることができたので、有意義な時間でした。

今回の企画は、これまで留学生との交流を経験してきた学生達にも、新たな気づきがあったようです。TUJとの交流をきっかけに、更に視野を広げ、これからの学びに活かしていくことを期待しています。

(山本晶子)

 

SWU×TUJ交流企画「頭と体を使って楽しむ狂言講座」を開催しました [2019年12月10日(火)]

<日文便り>

こんにちは。日本文化発信プロジェクト担当の山本です。
日本文化発信プロジェクトは、日本語日本文学科で行っているプロジェクト活動で、日本の文化を外国人にわかりやすく紹介する取り組みです。今日は、先月11月27日に行われた「頭と体を使って楽しむ狂言講座」について、ご報告します。この催しは、講師として和泉流狂言師の野口隆行氏をお招きし、日本の伝統芸能である狂言の体験を通して、SWU(昭和女子大)とTUJ(テンプル大)との交流を行うことを目的として企画したものです。

当日は、SWUとTUJの学生・教職員、あわせて41名の参加がありました。当日は、SWUのプロジェクトの学生による狂言の紹介、野口隆行氏による狂言のしぐさとせりふの体験、狂言装束の体験、最後に狂言小舞「七つになる子」の実演と進みました。SWUの学生によるクイズを交えた紹介では、狂言に登場する蚊や茸(きのこ)の精に、大きな驚きの声が上がりました。

続いて行われたワークショップでは、「柿山伏」の冒頭、山伏が柿を食べるまでの場面の実演があり、その曲中の台詞としぐさを、全員で演じました。野口氏の後について繰り返し台詞を言い、体を動かしていると、初めはぎこちない動きだったのが、次第に大きな声で、体も思い切り動かし、時折笑い声を上げながらも真剣に取り組んでいました。

 

中休みにSWUとTUJの交流を兼ねたブレイクタイムがあり、後半は狂言装束の体験です。「柿山伏」の柿の木の主の装束をTUJの学生さんが身に着け、野口氏から装束に関するお話を伺いました。身近に装束を見ることができる貴重な機会でした。最後に野口氏の狂言小舞「七つになる子」を堪能し、充実した2時間の講座でした。

日本文化発信プロジェクトでは、これまでも留学生に狂言を紹介する催しを行ってきましたが、今回は体験を交えた企画で、これまで以上にスムーズに交流ができたようです。20時過ぎに会が終わっても、いくつかのグループが残って話を続けている様子が印象的でした。

次回は、運営に携わったプロジェクトの学生からの感想を紹介します。

(山本晶子)

映画『ドリーミング村上春樹』ニテーシュ・アンジャーン監督特別講義 [2019年12月05日(木)]

<日文便り>

村上春樹作品の翻訳家メッテ・ホルムを追ったドキュメンタリー映画『ドリーミング村上春樹』(10/19〜全国公開)の公開に合わせ来日したニテーシュ・アンジャーン監督を招き、「日本文学Ⅱ(近代A) 中・短編小説を読む」内において、10月17日に特別講義を行った。

世代的に、そこまで村上春樹作品に馴染みのある受講生ばかりではなかったものの、村上春樹作品に魅入られたメッテ氏やニテーシュ監督が、その世界観をどのように描き出そうとしているのかといった話や、監督が素材をどのようにカメラに収め、またそれをどのように作品として成立させているのかといった、映画を撮る過程の話などに強く興味を惹かれたようであった。
そのため、最後の30分に行われた監督と受講生の質疑応答の場は非常に活発であり、監督の講義に触発された質問が絶えることなく提出された。そこでは、製作に関わる具体的な質問をめぐってのやりとりに加え、母国語と他言語といった文化的越境や、言語と映像といった表現媒体の差異に関わる議論も為されていった。
講義後には、〈映画を実際に観ようと思った〉〈村上春樹作品を改めて読んでみようと思った〉といった声も多く聞かれ、具体的には以下のようなコメントが寄せられた。

・翻訳、通訳とはその裏にある文化や歴史を知らないと、結果的にはその意味が通らないことを知った。

・翻訳者は現実世界と作家、作品の世界(この場合は村上の世界)を媒介する存在だということに気付いた。

・「翻訳者であるメッテさんを通して村上春樹の幻想的な世界を表現したかった」という監督の発言が興味深かった。「コミュニケーションで言葉の壁は重要ではない。それはもっとも表面的なものであり、より重要なのはボディランゲージや目の表情だ」という発言は多言語を扱うニテーシュ監督の言葉であるから説得力があった。

・「計画的に撮ったものより、偶然に出会ったものを撮った方が面白くなった。しかし、こういう副作用は計画があってこそだ」という発言が印象的だった。

・今日の講演を聞いて、本を読むうえで大切なことは理解することではなく、どう感じるかのではないかと思いました。

これらからも窺えるが、監督の熱意に大いに刺激を受けたようであり、非常に貴重な機会となった。

(山田夏樹)

留学生向け日本語クラスの紹介 [2019年12月04日(水)]

<日文便り>

こんにちは。日文の植松です。
今日は私が担当する留学生を対象とした日本語科目を紹介したいと思います。

私が担当しているのは、【話す】スキルの養成が中心の科目です。
今期は受講生のニーズに基づき、授業計画の中の「ストーリーを話す」を拡大する形で、韓国でベストセラーとなり日本語訳も刊行されたチェ・ナムジュ著、斎藤真理子訳の『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)を読んでいます。この授業では、内容言語統合型学習(CLIL:Content and Language Integrated Learning)という方法を取り入れ、内容重視のコミュニケーションを大事にすると同時に形式の側面もフォローして正確さにも配慮し、総合的に日本語力を伸ばしていきます。この方法を取り入れるのは今期が初めてなのですが、日本語力を鍛えるだけでなく、異なる立場を認め合い異文化交流を促進することにもつながることを実感しています。準備は大変ですが、毎回の授業が楽しみです。

さて、実際の授業ですが、本文を読み進めていく傍らで、関連する生のデータにふれるようにしています。先日は筑摩書房のHPで公開されている「100人の声」(様々な年代・性別の方による感想)を取り上げ、KJ法で話し合いを進めました。「100人の声」を大きく4つの年代に区切り、学生を4グループに分け、印象的だった部分をふせんに書き出してシェアしていきます。活動の中では、こちらが予期せぬ “問い” に出会うこともあります。その “問い” を大切に温め、自分の中で咀嚼し、誰かと共有する。その過程において、異なる価値観に出会うこともしばしばあります。同じ感想を抱いたとしても、そう感じた理由は異なるということもあります。どの学生も自分が「言いたい」「伝えたい」気持ちを言葉にしようとするため、なかなか予定どおりに授業が進みません(笑)。嬉しい悩みです。

今後は読み進めていく中で出会った “問い” やキーワードをもとにチームで発表資料を作成し、プレゼンテーションを実施する予定です。この小説を読むことを一つの契機として、個人の視点に立って広く言語と文化について、そして自分自身についてみつめてもらえればと思っています。

(UE)