【授業風景】古典文法

<日文便り> 古典文法

高校では暗記するしかなかった古典文法を、言語学的観点から深く掘り下げていきます。
係り結びといっても、強調といっても「ぞ」「なむ」「こそ」の違いは何なのか、結びが連体形になることは何を意味するのか。一つの言語が、四段活用と二段・一段活用の違いを持つことは何を意味するのか。そもそも未然形とは?連用形とは?

古典語の文法を、暗記ではなく「こういう表現体系だったんだ」と理解することは、一つの言語として、古典語への興味を引きますし(古典語の体系は本当に美しいです)、それらの理解を通して、現代語訳で内容を「理解する」のとは別に、その作品の息遣い、ニュアンスまでを「味わう」ことができるようになります。

基本的に講義形式で、目新しい授業スタイルではありませんが、「ここが重要」「覚えろ」ということを強制されない中で、純粋に、言葉だけが作り上げていく世界にどっぷり浸ってもらえたら、と思っています。
言葉のことを言葉で語る。その言葉から、見たことのない世界を見る。純粋に講義形式の醍醐味が感じられるのも、「言葉」の授業なればこそ、と思っています。
(須永哲矢)