2022年度 優秀卒業論文『対人場面におけるマスク着用の心理的効果』

心理学科では,その年に提出された卒業論文の中で極めて優秀なものを「優秀卒業論文」として選出しています。
2022年度も5名の卒論が「優秀卒業論文」に選ばれました🎉
今回は昨年度の優秀卒業論文にもあったマスクに関する研究を紹介致します。
同じマスクをテーマにした優秀卒業論文

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対人場面におけるマスク着用の心理的効果

卒業論文の内容を教えてください。

マスクの着用が着用者自身の感情変化にもたらす影響を、着用者自身の容姿に対する自己評価自己意識併せて研究しました。

具体的には、他者と対話をする場面を想定した実験を実施し、感情変化自己意識の高低自己の容姿への自信の有無がどのように影響し合っているのかについて検討しました。

自己意識(self-consciousness)…自分に注意を向けやすい傾向を指し,その中でも「マスクをつけた自分」のような他者から見た自分の容姿や服装に注意を向けやすい傾向は公的自己意識(private self-consciousness)と呼ばれる。

マスクが“相手”に与える影響ではなく,“着用者自身”に与える影響を研究しました💡

 

研究テーマはどのように決めましたか?

コロナ禍で就職活動を進める中で、多くの就活講座でマスクの着用が印象悪化を誘発するとの情報を得ました。この例に限らず、多くのメディアでマスク着用によるデメリットについての討議がなされてきていました。

しかしながら、今後も着用していくマスクだからこそマイナス面だけではなく、プラスの側面も見出していきたいと思ったのが本研究のきっかけです。

マイナス面だけでなくプラス面にも目を向けました。

 

研究を行う上で工夫したこと,大変だったことを教えてください。

本研究で最も大変だったのは、コロナ禍における感染予防対策を講じるためにZoomを用いつつ、時間的・人的コストも加味しながら実験の準備、実施を行ったことです。

画面上の人物との対話」という形式でも実験参加者に実際に会話していると感じてもらえる質問や受け答えのシナリオを考えるなど、準備に忙しかったのですが、終えてみると一番楽しかったとも感じます😊

研究目的を達成するための課題作成に苦心しました💦
容姿に対する自信の有無で対話前後の感情変化に関するマスクの効果が異なることが分かりました💡

 

最後にこれから心理学科を目指す方に一言お願いします。

自分が何気なく疑問に思ったことは、それだけでも研究の素となる貴重な種なのだということを、心理学科に入って学ぶことが出来ました。

自分の価値観や考え方も研究対象になり得るとても楽しい学問を学びに来てみませんか😊

(4B 出雲)

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