私のわくわく感【小林先生】

小林広利先生が、算数・数学の “わくわく感” について紹介します。

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わくわくしMATH 算数教育

 

計算ができるということは日常生活で必要な力であり、基本的な計算の技能は小学校算数科で学習します。算数科の授業では、計算ができると同時に、計算の仕方がわかったと児童がわくわくしながら学びに向かう姿を演出したいものです。

 

大学の算数の講義の中に次の計算の仕組みを学生間で協議しながら考える授業があります。図1は、解がきれいに並びますが、解の途中に「0」が入っているのが気になります。

そこで、 ★ 特別な場合を考えます。はじめの1行目に注目してみます。

123456789 × 1 × 9 = 1111111101

 

次に、  ★ 構成要素(全体と部分)に着目すると、

〇  9桁 × 1 × 9 = 10桁 となっています。

〇 解の 0 をとって、解の桁数を一つ下げるには、かけられる数の桁も

一つ下げてみようという発想が浮かびます。

★ 思考錯誤

〇 かけられる数の桁数を下げるために、適当に「3」を外してみました。

12456789 × 1 × 9 = 112111101(うまくいかない)

〇 他にもいろいろ試してみます。

 

★ 場面を当てはめる

〇 解は右から2つ目が0だから、かけられる数も右から2つ目の「8」を

外してみようというように、予想を立てながら進めます。

 

学生たちが上記の★にあるような「発想・アイディア」に気付くように、算数の講義が進んでいきます。

下の図2のようにかけられる数の「8」を外すと、解がさらにきれいに並びます。

そして、かけ算の筆算からその仕組みを暴いていきます。

 

その後は、他にたくさんの「計算の美しさ」「計算の不思議」に触れ、学生の「なぜ?」「不思議?」「楽しい!」というわくわく感を演出します。図3、図4は、講義で使用した「算数ピラミッド」の一部です。

続いて、次の計算の工夫を見てみましょう。

 通分して計算すれば答えは出てきます。しかし、児童Aさんと児童Bさんは、次のようなやり方をしたそうです。

 

人間は考えることを楽しめる生き物です。初等教育学科では、未来の先生を目指して、楽しんで算数教育を学修していきます。

算数のわくわく感を体験しましょう!