生きることは遊ぶこと【鈴木法子先生】

気温が下がり、戸外で快適に過ごせる季節になりました。右の画像は10月下旬の秋色のキャンパスです。秋の空と紅葉のコントラストが鮮やかで、美しいですね。                                                                                                                                                      さて、昭和女子大学は東京都世田谷区にありますが、大学から徒歩10分ほどの場所にある世田谷公園をご存じですか。面積は7万8,957平方メートルで東京ドームの1.7倍ほどの大きさであり、世田谷区内に340ほどある区立公園の中で第5番目の広さを誇る公園です。プレーパーク、ミニSL、交通広場、テニスコートやサッカー場、噴水等、多様な施設設備から構成され、授業やゼミで訪れては、ミニ運動会や落ち葉拾い、園外保育の引率方法等、保育における園外環境の実際を学ぶ場として活用させていただいております。公園内のどちらの場所も素敵ですが、私が訪れた時に必ず確認する場がプレーパークです。プレーパークは「冒険遊び場」とも呼ばれています。プレーパークで子どもたちは、木に登ったり、焚き火をしたり、穴を掘ったり、基地を作ったり、料理や木工をしたり等、既成の概念にとらわれることのない遊びをプレーリーダーと共に挑戦して楽しみます。プレーパークには、一般の公園でよく見かける既成の滑り台やブランコ、砂場はありません。                           下の2枚の画像は、秋のプレーパークの様子です。

大きな穴を掘る子どもたちと見守る大人たちです。子どもたちは脳と身体をフル回転させながら、穴を掘っています。こんなに大きな穴を思う存分掘ることのできる場は、なかなかありません。モーリス・センダックの絵本『あなはほるもの おっこちるとこ』(岩波書店)を思い出しました。

子どもたちが公園で拾ったどんぐりを、起こした火で煮ているところです。♪あーぶくたった 煮えたった 煮えたかどうだか 食べてみよう♪ 火を囲む子どもたちは、わらべ歌を口ずさみ始めました。わくわくする気持ちが伝わってきます。

プレーパークは1943年にデンマークで始まり、その後、ヨーロッパの各地、北米、オーストラリア等に広がっていきました。日本にもプレーパークの思想は伝播し、1973年には世田谷区内の羽根木公園内に日本のプレーパークの第一号ができました。世田谷区のプレーパークの特徴は、運営資金を区が予算化し、地域住民が世話人となってプレーパークが運営され、プレーパーク開園中はプレーリーダーが常駐していることです。プレーパークの歴史を振り返ると、遊びの重要性を強く認識し、遊びの環境の保障に共鳴した人々が世界中におり、その共感の輪が今も広がっていることを覚えて心を動かされます。                          遊ぶことは学ぶこと、学ぶことは生きること、生きることは遊ぶこと! ― 遊びは子どもの成長の源泉であり、遊びの援助は保育者の専門性の一つですね。

四季折々に趣きの異なる世田谷公園、少し時間のある時に、学生の皆さんも足を伸ばしてリフレッシュしてみませんか。公園の周囲には、美味しいアップルパイや、かき氷のお店もあります。もちろん公園内には秋限定で、美味しいどんぐり(!)もあります。