初等教育学科ゼミ紹介【鈴木法子ゼミ】

 

 私たちのゼミは、4年生8名、3年生8名の総勢16名のゼミです。現在、4年生は1月の提出に向けて卒論の執筆が大詰めを迎えています。私たち3年生も研究テーマが絞られてきました。そこで今秋の3年生の動きをご紹介します。

 先日は各自の研究へのヒントを得るために、もみの木保育園太子堂に伺いました。もみの木保育園太子堂は大学の西門のそばにある園です。もみの木保育園には研修制度があり、保育者は海外の保育現場で学ぶことができるそうです。コロナ前はイタリアのレッジョ・エミリア国際センターやスウェーデンの就学前学校での交流保育研修を実施していたとのこと。昭和の先輩も保育士として勤務されています。

 園長の小栗由樹先生によるオリエンテーション(画像1枚目)の後、各自の研究関心に基づいて保育環境の観察と先生方へのインタビューをさせていただきました。2枚目の画像は、絵本コーナーの環境構成のポイントを保育者の方にインタビューするAyuさんです。画像3枚目は、文字とイラストから構成された5歳児学級の掲示物に見入るSakさん。しゃがみこみ、子どもの視点から観察しています。保育現場では多様な身体技法が求められます。

 園の環境にインスパイアされ、NodさんとHanさんの対話が始まりました(画像4枚目)。自然物と人工物の多様な環境から構成された光が差し込むアトリエでは、人と人との対話のみならず、物と人との対話も深まります。画像5枚目は、セロファンの角度を変えて透過する光の質を変化させているHarさん。先行研究の内容を確認しているようです。画像6枚目は、観察しながら記録をするChiさん。保育現場には多様な、人・モノ・コトの情報が溢れています。

 また別の日。世田谷区内の公園で「あそびの会」の保育を見学させていただき、園長の石川由喜夫先生と子どもたちにインタビューをさせていただきました。「あそびの会」は、1976年に石川先生と小児科医の故・毛利子来氏が代々木公園で始められた自主保育「原宿おひさまの会」が発祥です。地域とのつながり、外遊び、保護者の方々との協働を重視したユニークな保育を展開されています。画像7枚目は、子どもたちにインタビューをするAyaさんです。インタビューでの子どもたちの返答は想定を超えた内容でした。子どもが大人とは異なる多様な考えを持っていること、だからこそ子どもたちの声に耳を傾けることの重要性を学ばせていただきました。画像8枚目は、保育者や保護者の方々による手作り教材を手にとって観察しているゼミ長のHikさんです。インタビューを終えて帰る際に、石川先生が見送ってくださいました(画像9枚目)。

 学内でのゼミは、毎回、図書館のスタディールームで行っています。画像10、11枚目は、ジャカルタ日本人学校幼稚部園長の鈴木和彦先生にオンラインでインタビューをさせていだいている場面です。鈴木先生はインドネシアの正装、バティックを着用してインタビューに応じてくださいました。オランダとインドネシアの在外教育施設での豊かなご経験をお持ちの鈴木先生のお話しから、国内と海外の保育の共通点と相違点を考えることができました。インドネシアは多民族国家で、世界で最もムスリムの多い国です。日本人学校の仕事においても多文化共生の意義を日々、実感しておられるそうです。日本が学ぶべきことが多くあることを思いました。

 ご協力くださった先生方と子どもたち、本当にありがとうございました。

 先日は、昭和の泉の前で先輩から卒業研究の進め方のアドバイスもいただきました(画像12、13枚目)。私たち3年生も1年後の卒論完成を目指して頑張ります。先輩の皆さまも1月の提出まであと少しです。3年生一同で法子先生と一緒に応援しております。